子供の腰痛の原因
どうも、とうしんだいパパです。
最近コロナウィルス対策が緩和しつつあるおかげで、中高生の部活などのスポーツも盛んになってきました。
そのためか、うちの病院にも若年層の怪我や痛みでかかる子たちが増えてきた感じがします。
色々な疾患の中で最近多いなと感じた、『腰痛』について語りたいと思います。
若年生の腰痛の疾患として、ヘルニア、腰椎分離症、分離すべり症、圧迫骨折、腫瘍
なんかがあります。
でも、最初に病院に行った時にはしっかり病名を言わないことも多いです。
それは、まだ原因がはっきりわからないからです。
原因を調べる為に、単純X線写真(レントゲン)、CT、MRI、血液検査などの検査が行われます。
簡単にですが病気についての解説です。
急性腰痛症
症状;腰痛
原因:急な動きや衝撃により起こる腰痛のことです。
腰の周りの靭帯のねんざや関節の炎症、筋膜(筋肉を覆っている膜)の剥離など色々な要因で起こります。
いわゆるぎっくり腰ですね。
安静にしていれば治ります。
ヘルニア
症状:腰の痛み、お尻から足の方(大体が片側)までの痛みやしびれを感じます。
子供のヘルニアの原因の一つとして、スポーツなどの力学的な負荷があります。
大人のヘルニア症状と同じようですが、大人よりも痛みは軽い気がします。
ヘルニアはある程度成長してからが多いのですが、8歳くらいからヘルニアが出ることもあります。
腰椎ヘルニア原理は、腰の骨(腰椎)の骨と骨の間にクッション役の椎間板というものがあります。
椎間板の中から髄核と呼ばれる中身が外に飛び出して、飛び出したもの(その事をヘルニアと呼びます。ヘルニアは他の場所にもできます)が周囲にある神経などにあたり痛みを誘発したりする事です。
時間が経てば、飛び出したものが周囲の組織に吸収されなくなってしまうこともありますが、そうでない場合もあるんで長い付き合いになってしまうこともあります。
治療として湿布、飲み薬、安静、痛みが治まってきたらリハビリで運動療法です。
理学療法士さんの運動療法は予防の意味もあるのでしっかりやる事をお勧めします。
腰椎分離症
症状:腰痛、腰の不安定感
原因は過度の腰への負担によるストレス性の骨折(疲労骨折)です。
他に遺伝的要素もあります。
腰の骨(腰椎)の横から後ろに繋がる骨(椎弓)の部分が疲労骨折を起こし、最初はヒビが入った状態ですが、治療しないでさらにストレスをかけ続けると完全に分離してしまい固定性が失われてしまいます。
そうなると分離すべり症となりさらに腰の安定性が弱くなり、長く続く腰痛の原因となります。
治療はコルセットなどで固定し安静です。
腰椎分離症は、プロスポーツ選手でも多く見ます。それだけ過度な練習をしてきたのでしょう。
しかし、現在は練習法もだいぶ見直され、腰に負担がかからないプログラムが標準化されてきているようです。
圧迫骨折
症状:激しい腰痛、背中を叩くと響くような痛みを伴います。
原因:転倒、転落などの高エネルギー外傷
骨が弱くなった年配者に多いですが、子供でも起こります。
骨がはっきり折れるのではなく、骨が少し潰れた状態となります。
治療は安静ですが他と違うのは、立っているだけでも腰の骨に負担がかかり、受傷初期に動き過ぎてしまうと骨の形が変形してしまい、体の成長に変化をきたす可能性があります。脊椎は体の中心の骨なので軽く見ないようにしましょう。
入院治療して1〜2週間寝たままの生活がいいと思います。
きちんと治療すれば後遺症はなく骨も問題なく成長します。
たまに何も検査をしない医師がいたりしますが、経験という思い込みで診断し、他の可能性を探すこともしないで診察を終わらせてしまうことになります。
それで大丈夫な場合もありますが、そうじゃない時に大変な事になることもあります。
痛みが続くときは、再診するようにしてください。
特に子供の痛みの原因は、早めにしっかり調べて治療する事をお勧めします。
整形外科のある病院、クリニックを受診しましょう!
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